てくてく工房一級建築士事務所の最新ニュース記事・新着情報。職人さんの技術 (2018-05-21)について

職人さんの技術

旬彩処暁新築工事では、今どき珍しく職人さんによる手刻みによって軸組みを完成して頂きました。

昨今では工場におけるプレカットが当たり前で、手刻みができる職人さんは非常に少なくなってきています。
新しい職人さんの技術を育てる意味でも、プレカットだけに頼らず手刻みの仕事を取り入れて建物を建てるということは、社会的意義の大きなことだとわたしは信じています。

とはいえ、結局ベテランの棟梁さんが時間をかけて刻んで下さったということで、若手職人さんの出番は少なかったようですが…。

さて、前置きが長くなりましたが、この青空に浮かぶ梁に何やら四角い凹みがあります、これが何かわかるでしょうか?
この建物では屋根勾配が緩く丸太梁を使っているため、実は母屋が梁に干渉してしまう部分があり、その部分に事前に凹みを設けて母屋を受けられるように施工して頂いたのでした。(写真2枚目の左上部分)
よく見ると、丸太梁に墨で印が付けられています。
この不正形に曲がった梁を、組み上げた時にきっちり納まるように施工する技術は、本当に素晴らしい!
頭の悪い設計士には神業に思えます。
プレカットの時代にこんな(しなくても良い)苦労をして職人魂を見せて下さった棟梁さんには心から感謝しています。
ありがとうございました。

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